馬とデザインの深い関係

週末は別人_20070119

1965年にデザイナーとして仕事を始め、1966年に独立してコシダアートを立ち上げた。サラブレッドの生産牧場を北海道に開設したのが1970年。20歳代で馬主になった。私の父親が騎兵隊で子供時代から馬は身近な存在だったこともある。おそらくデザイナーで馬主という人間は私だけだろう。しかし、一見関係ないようで、デザインと馬は深い関係があると思っている。その意味では趣味の域を超えている。

欧州の有名ブランドを見れば、馬と関係が深い事がよく分かる。エルメスやフェラーリ、グッチ、ロンシャンやポロなどは馬をブランドに取り入れている。これらの企業は、かつて馬具や馬車、駅馬車の宿舎など馬に関する産業に関わっていた。さらに「馬力」という言葉は産業の原点でもある。
生活とのつながりが深く、その意味でもデザインと近いものがある。ちなみにコシダアートのロゴマークも馬だ。
早い時期に牧場を持ったので、仕事の面でもごく自然に馬とのつながりができた。トウショウ牧場のロゴマークを手がけたり、中央競馬会のPRセンターの仕事も回ってきた。

「越田牧場」はまず長万部で牧場を開設し、1989年に静内地方(新ひだか町)に新牧場を開き、そこに集約した。広さが40町歩(約40ヘクタール)。1町歩に1頭が目安だが
実際に放牧するのは半分程度。コシダアートの経営だけでなく、大阪総合デザイン専門学校校長、協同組合関西デザインオフィスユニオン理事長と、仕事が増えたので、実務は弟に任せ、現在は年に数会通う程度になっている。

馬主になって30年以上経つが、あまりいい思い出はない。強い馬をつくるにはこつこつ時間をかけるしかないだろう。土地も改良を重ねて地力を上げることが前提だ。

自分の馬が走るときは馬場に出向くが、それ以外の週末は馬の絵や彫刻を描いている。もともと馬券にもあまり興味がなく、むしろ強い競走馬を作りたいという思いが強い。グレードレースを取ることはもちろんだが、競走馬を生産し、育成しながら絵でも描ければいいと思っている。商品が在庫になれば破棄すればいいが、競走馬は殺さねばならない。大事に育成することを肝に銘じている。馬から教えられることは多い。

「日刊工業新聞 2007年1月19日 <ウィークエンド週末は別人> 掲載記事より抜粋

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